守るべき遺産を自らの手で壊していく

友人には何度か話したことがあるのだが、ボクは非常にペルーに行きたい。
クスコとマチュピチュとナスカの地上絵はぜひ観てみたいと思う。
今月の28日に、俳優の伊藤英明が「インカ帝国を訪れる」みたいな
ドキュメンタリーが放送されるらしい(詳細は「こちら」)。
ぜひ見てみたいところである。


ところで、このナスカの地上絵。多くの人が知っているでしょう。
紀元前2世紀〜6世紀の間に描かれたとされている幾何学図形、動物である。
この地域は年間を通じて雨がほとんど降らないらしく(年降水量が5mmらしい)
そのため侵食が起きないので、今日でも描かれた地上絵を拝めるわけである。
しかし最近では、気候変動によるせいか雨が少し多くなり、侵食が起きて
しまっているということを耳にした。もちろん、この先数年で侵食されて
絵が消えてしまうとか言うわけではないが、今後も気候変動が続いて
ナスカの地上絵が存在する地域の降水量が多くなったら、いずれそう遠くない
将来に大きなダメージを受けてしまう可能性だってなくはないだろう。


この気候変動を起こしているのは人間である。温暖化や熱帯雨林の伐採など
により、気候システムというのは、ここ数十年で大きく変わったし、
このままでは今後も大きく変わっていくことでしょう。そのような人間活動
が行われている一方で、ナスカの地上絵のように、その代償を受けて
存続の危機にさらされかねない可能性のある遺産があるわけです。


人類が過去の活動で残した遺産を、自らの手で破壊する。
「ナスカの地上絵なんてどうでもいいよ」って思う人も多いと思いますが、
個人的にはこのような遺産は残すべきだと思うので、なんとかナスカの地上絵
が失われないことを願うばかりです。そして、将来ナスカの地上絵が
危機にさらされる可能性はなくはないので、できるだけ早い時期にペルーを
訪れ、ナスカの地上絵を観てみたいと思っています。