人口が初の自然減に

今年、統計が始まって以来初、日本の人口が自然減するそうだ【(こちら)
を参照】。
まぁ、遅かれ早かれこのときが来るのは昔から予想されていたことなので、
いまさらこのニュースを聞いてびっくりする人はいないだろう。
日本を含め先進国は人口が非常に安定している。おそらく
これら先進諸国は、社会補償問題などと戦いながら、そして労働力減少と
戦いながら経済発展を目指していくことでしょう。
一方で、世界の多くの国では人口が増加しています。一番の大国である
中国はいわゆる「一人っ子政策」で人口の増加は抑えられていますが、
インドやアフリカや東南アジアでは人口は高い伸びを示しています。
そして、それらの人口を養うためには食糧が必要です。一方で、それらの
人口増に対応する住宅、道路、学校etc...などが必要です。
現在、農業は生産性を画期的に高める新しい技術の誕生は望めない状況に
あると言われています。つまり人口増に対応するためには耕地を増やす
しかないのです。
しかし、先ほど述べた住宅、道路などを作る時には耕地が転用されるのが
一般的です。農業は都市にたいして脆弱です。耕地を増やさなければ
いけないのに増やすことは容易ではありません。むしろ、世界のあちこちで
進む砂漠化、地下水位の低位(水資源の枯渇)など、耕地を減少させる
要因の方が圧倒的に多いのが現状です。
耕地を増やす唯一の可能性を持った国はブラジルと言われていますが、
今回はこのことについては触れません。
ただ、それほどまでに食糧問題は大変な状況に指しかかっているのです。
どうでしょう、20世紀に入ってから4年間(2000年〜2004年)は
世界の穀物生産量は消費量を下回りました。つまり在庫を取り崩して凌いで
いるわけです。現在の世界の穀物在庫量はここ30年で最低の水準と言われて
います。


今までの話を聞いていただけた人は、食糧問題が大変なことになってきている
ことはお分かりいただけるでしょう。だけど、どうでしょう。日本では
食糧問題は議題にも上がりませんね。気にする人もいないんじゃないで
しょうか。BSE鳥インフルエンザなど食糧の安全性に関する議論はあっても
食糧の絶対量に関する議論はない。
もし、この先食糧供給が食糧需要に追いつかなくなった場合でもお金持ちの
国である日本は、食料価格の高騰にも対応できるかもしれません。


だけど、世界ではこの先上に苦しむ人が今以上に発生するのは確実でしょう。
その際におそらく当分は食糧では苦しむことがないと予想される私達は
その現状をただただ見ているだけでいいのでしょうか。


では取るべき対策はなんなのでしょうか。ボクは正直どうすればいいか分かり
ません。しかし、世界全体で人口抑制を頑張る。食糧生産にとってマイナス
要因となる温暖化、砂漠化、水資源の枯渇について世界全体で取り組む。
以上のことは必ずややらなければならないことでしょう。
ですが、これらのことは私達個人には無理です。国の偉い人たちにやって
もらわなければならないことです。ただ、もし実際に行われることになったら
私達が行動を起こさなければならないわけですし、そもそも世論で、国に
「食糧問題について世界全体で取り組まなければならないんだ」と訴える
ことができるかもしれません。
だから、まずは個人レベルで世界の食料需給に対して問題意識を持つべきだと
ボクは考えています。
もし全ての個人が問題意識をもてたなら問題は解決へと希望の道を開いて
くれることでしょう。


日本の人口の自然減から思いついた事をつらつらと書いてみましたが、
世界の人全員が同じ地球人の仲間として争うことなく苦しむことなく暮らして
行くためには、ボクたち個人のレベルでも何か考えなければならない問題が
あるのではないかと思い、こうやってボクの意見を書かせていただきました。